ネオアトラスはプレイヤーの選択次第では、神話に基づいた世界観を、世界に当てはめてしまうことが可能だ。
世界を確定していく過程で、大きな「噂バルーン」に出会うことが度々ある。この大きな噂バルーンは世界観決定に大きな影響を及ぼすものが多く、自分がどういった世界を目指したいのか、はっきりとした目的を持って、選んでいく必要がある。
中でもよく目にするのは「世界の果てを目指して東に進むと元いた場所に戻ってしまう(球体説)」や、「世界の果ては大きな滝になっている(平面説)」といったもの。球体説と平面説の噂は、他にも表現を変えてたくさん登場する。これらの噂のどっちを信じていくかで、世界が現実にある地球になったり、あるいは中世キリスト教が唱えた平面的な世界になったりする。
しかしネオアトラスが面白いのは、この2つの世界とはまた違った、「伝説の世界」への可能性が用意されているところだ。
ネオアトラスに用意されている「伝説の世界」は、「巨人が世界を支えている」という説と、「蛇が世界を支えている」という説。どちらも、中東で見つかる箱船を調査することで伝説への扉が開かれる。ただし、ある程度ゲームが進んでしまうと、この伝説の世界への扉は閉ざされてしまうので、ゲーム開始直後に箱船を調査し、早々に扉を開いておくといいだろう。
無事、まずは伝説の世界への扉を開いたなら、あとは簡単……というわけではなく、この伝説の世界を信じ続けることで、世界にある大きな変化が見られるようになる。その変化、つまり世界の謎なのだけど、それを解き明かすことで、世界観を伝説の世界にすることができる。通常の球体説や平面説を再現するだけであればたいした苦労はないのだが、伝説の世界を再現するとなると、ちょっとした謎解きが必要となる。
繰り返しになるが、ネオアトラスは「自分で地図を作る」ゲームだ。世界中で目にする、あるいは耳にする噂を「信じる」「信じない」で判断し、自分の思う世界を作ることができる。だから、明確に「これが正解」というものはない。あえて言うなら、「自分が信じたもの」が正解なのだ。
したがって、「球体か平面か」、あるいは「巨人か蛇か」、という問題でさえ、人によっては正解ではない。自分の中で「世界はこうあるべき」という形に作り上げることができたそのときこそが、真の意味でネオアトラスをクリアしたと言えるのではないだろうか。
例えば上の地図を見てほしい。これは、今から約2500年ほど前のギリシアの地理学者ヘカタイオスが描いた地図を再現したものだ。古代のギリシア人の世界観は、世界の大地の周囲はオケアノスと呼ばれる大洋に囲まれ、天空は平たい大地の上を鉄の鐘のように覆っていると考えていた。これは、ギリシア人の独自の考えというよりは、フェニキア人などを通じて、バビロニア人の世界観の影響を強く受けたためと考えられている。今にしてみれば、架空の、想像の話でしかないが、しかし古代人は、素朴にこのような世界を信じ、生きていたのだろう。
僕は、このような古代人の世界観に見られる純粋さが好きだ。だからそういう世界を真実として再現してみたかった。大地はヨーロッパを中心とし、広いオケアノスに囲まれてはいるが、実はオケアノスのその向こうには、また別の文化を持つ世界、未知の土地があった――と、自分の中でちょっとした物語を組み立てて地図を作ると、とにかく面白い。
実際のところ、このゲームは本来陸地になっている場所は陸地を発見しやすいプログラムになっており、上の地図のように、南アフリカを消したり、ユーラシア大陸を分断するというのは、結構な手間がかかる。しかし不可能ではないのだから、面白い。またこれとは逆に、本来は海である場所に陸地を出現させ、世界を陸地ばかりにしてしまうことだってできるだろう。世界の形は自分次第でいかようにも変化する。ぜひ自分だけの「真実」を、ネオアトラスで作り出してみてほしい。