2010年2月24日、PSネットワークにて、『ときめきの放課後』が、アーカイブスとして配信された。たったの600円で名作がダウンロードして遊べるというのは、ファンとしては嬉しい限り。このページではときメモしか遊んだことがないという人のために、『ときめきの放課後』が一体どういうゲームであるのか、紹介していくぞ。このページを読んで興味を持ってもらえたならば、ぜひダウンロードして遊んでみてほしい。
ときめきの放課後は、高校生活を4択のクイズ方式で進めていくというゲーム。本編とは違い、基本的に1ヶ月単位でゲームが進むため、全体的にゲームの進行が早いのも特徴だ。ゲームの主な流れは、以下の通り。
読んでもらえば分かる通り、ゲームの本筋そのものはときメモとなんら変りない。卒業式の日に女の子からの告白を受けるのが最大の目標という点は同じだ。ただ違うのは主人公育成コマンドが完全に廃止され、クイズのみでときめき度を上げていく、というところ。これは学校行事である運動会や文化祭も例外ではなく、そのほとんどがクイズ形式で進むのだ。
またこのゲームのもうひとつの特徴は、キャラクターのグラフィックがときメモからすべて一新されているところ。PS版やSS版のときメモは、PCE版の移植+αという域を超えていなかったが、このときめきの放課後はグラフィックやイベントが一新されたことにより、ときメモの外伝的作品というよりは、「クイズゲーム方式でのリメイク」と表現した方がいいかもしれない。当然、台詞も新規収録、クリア後のお楽しみであるフリートークも完備されているぞ。
クイズ形式というシステム上、ゲームそのもののテンポはかなり早い。順調に行けば1時間30分〜2時間程度で1キャラクターを終わらせることもできる。非常に手軽なゲームだが、だからといってゲームそのものが薄っぺらいわけではない。個人的にはときメモのリメイク作品として十分な品質を持って世に送り出された、良くできたゲームだと思う。実際、ファンの間でも評価の高い作品だ。
なおアーカイブス版のデータセーブとデータロードの時間についてだが、ご丁寧にもメモリーチェックの時間まで完全再現されているため、劇的にセーブとロードが速くなった、ということはない。ゲーム本編はアクセスタイムなしでサクサクと進むぞ。
ときめきの放課後には各キャラクターにつき2種類のエンディングが用意されている。通常はその女の子と付き合うようになってからのデートの様子がエンディングで見れるが、ある条件をクリアして告白を受けた場合は、告白した女の子の髪型が変わるというアナザーエンディングに突入する。これまで作り上げてきたイメージがガラリと変わる、賛否両論のあるエンディングだが、高校を卒業した彼女らをちょっと違った形で見れるというのは、結構面白い演出だ。エンディング分岐の条件はキャラクターによってそれぞれ違い、若干面倒なものも含まれるが、クイズに自信があるのなら、ぜひ見てみよう。
ちなみに、オープニングテーマ曲もそうだが、エンディングテーマ曲やバッドエンディング時の曲もときメモとは別の曲に一新されている。バッドエンディングは一度何かしらのキャラクターでエンディングを迎えれば、おまけコーナーから見ることができるようになる。
通常、クイズは、文学、美術、スポーツ、漫画・アニメ、ゲームなど、様々なジャンルの中からひとつを選んで答えていく。1年生と2年生のときは毎月3問正解でクリアだが、3年生になると4問クリアがノルマとなる。またジャンルを選択するといっても、1問は必ず他のジャンルから出題されるため、得意ジャンルだけを選択していけばクリアできるとはいかないぞ。
さらに部活動に入っている場合は8月に部活動に関係するクラブクイズが、7月、12月、3月の学期末時にはすべてのジャンルからランダムに7問出題される学期末テストがある。ゲーム中お手つきできるのは最大で5回までなので、学期末のときは特に難しくなる(お手つき回数はクイズに答えていく中で回復する)。
これまで書いてきた通り、このゲームではクイズに答えていくことがゲームクリアへの道なのだが、人間、誰しもが得手不得手というものがあり、何でもかんでも答えられるほど万能ではない。現代ではグーグルなど、検索エンジンを使えば大抵の答えは見つかるので、ネットで検索しながらゲームをやれば、特に問題なくクリアできるだろう(PSPであればの話。本体のPSボタンorホームボタンを押せば強制ポーズをかけることができるため。実機では強制ポーズは不可能)。
もしどうしても答えが分からないというのであれば、パートナーに答えてもらうのもひとつの手だ。パートナーの得意なジャンルであれば、高確率で正解してくれるぞ。またこのとき、間違えたりまぐれで当てたときに言う台詞も面白いので、余裕があれば色々なジャンルで試してみよう。ただし女の子が正解した場合は、ときめき度の上昇が極端に少なくなるので、通常はどうしても、というとき以外は自力で答えるよう心がけること。
ちなみにPS版ときめきの放課後の発売日は98年のことなので、時事問題は97〜98年の出来事から出題される(例としては長野冬季オリンピックなど)。すでに時間がかなり経過しているため、若い人ほど厳しいものがあるかもしれない。またジャンル自体も幅が広いが、ひとつのジャンルを見ても簡単なものからかなりマニアックな、専門的な知識が必要とされるものまでかなり幅が広い。ひっかけ問題も多いので、得意のジャンルだからといって気を抜いていると、エライ目に合うかもしれないぞ。
1年目の4月のクイズが終わったあと、部活に入るかどうかの選択が出る。ときメモがそうであったように、ときめきの放課後でも無理に入部する必要はない。しかし目当ての女の子と同じ部活に入った方が楽しいだろうし(夏合宿イベントが起こる)、また部活によってはクラブマスターになることで進路として留学を選択できるようにもなる。この「留学」がエンディングの分岐条件となっていることもあるので、入部するからには極めるつもりでやってみた方がいいかもしれない。
なおクラブマスターになる条件は結構厳しい。クラブマスターになれるかどうかは3年目の1月(卒業直前)の全国大会で優勝する必要があるのだが、その優勝条件というのは「3問連続で正解しなければならない」というもの。これは1問でも間違ったらアウトであるばかりでなく、1月のクイズが終わったらインターバルを挟むことなく全国大会に移ってしまうため、仮に失敗してロードするとなると、また1月のクイズを解かなければならないのだ。これが非常に面倒くさい!部活が自分の得意なものならまだしも、まったく知らないジャンルである場合は苦戦すること間違いなし。ある程度ヤマをはってカンペでも作っておいた方がいいかもしれない。
ときメモと違い、複数の女の子と仲良くする必要はない。基本的には、目当ての女の子ひとりをパートナーに選び続け、一緒にクイズに答えていくだけでOK。正解を重ね、毎月表示されるパートナーのときめき度ゲージを最大値にしさえすれば、卒業式のあと告白に来るぞ。ひとりの女の子だけと向きあえばよいという意味では、ときメモよりはずっとクリアしやすいと言えるだろう。
しかしパートナーに選んだからといってただ漫然とクイズに答えていればいいというものではない。初めのうちはどのジャンルのクイズを答えてもそこそこにときめき度は上がっていくが、ある時点から、特定のジャンルの正解率を上げないとときめき度が上がらなくなってくる。パートナーがどのジャンルが得意なのか、好きなのかを見極めた上でクイズに臨む必要があるのだ。また各キャラクターとのイベント(またはデート)は、基本的にときめき度が高くないと発生しない。特殊イベントが見たい場合は早めにときめき度を上げる必要がある。
なおイベントが起こるかどうかはときめき度の状態に加え、ランダム要素が強いため、実のところときめき度が高いからといって必ずしも起こるとは限らないのだ。ときメモであればデートの約束を自分で細かく調整できたので、見ようと思えばかなり意図的に見ることができたが、ときめきの放課後ではスケジュール管理のシステムは排除されているため、イベントが起こるかどうかはまさに神頼み。どうしてもイベントを見たいのであれば、ロードを繰り返す必要があるぞ。
またゲーム全体を通してお手つきを5回してしまった場合、そこで一旦ゲームオーバーとなるが、お手つき回数を回復した上でそのままクイズを続けることも可能だ。しかしゲームオーバーになると、パートナーを含め、全員のキャラクターのときめき度が激減する。一応クイズを終わらせれば少しは上昇するものの、キャラクターによっては凄まじく減ってしまうので、基本的にはゲームオーバーになったらロードし直してその月をやり直した方がいい。それでも序盤ならそのまま続けても挽回可能だが、3年生になると時間の関係上、挽回が難しくなること必至だ。
もっとも、PSPでは強制ポーズもかけられるからじっくりと考えることもできるし、ポーズをかけている間にネットで調べれば、ほとんど間違うことなくクリアすることも可能なのだが…。
ここからは各キャラクターの得意とするジャンルと、アナザーエンディングの条件を紹介。個別イベントに関しては各キャラクターともに、夏服時に2つ、冬服時に2つほどというところか。これは実際に遊んでみて、各自で確かめてみてほしい。
藤崎詩織 | |
得意ジャンル:文学、科学、社会、美術、音楽、スポーツ ED分岐条件:一流大学に合格する。 さすがヒロイン、勉強全般に強く、パートナーとしては非常に頼りになる。ときメモのような厄介さや難易度ではなくなり、わりとクリアしやすいキャラクターとなった。様々な分野に強いので、初心者の人はとりあえず詩織を選ぶといいかも。当然、学期末テストでもかなり頼りになる。アナザーエンディングを目指すのであれば、ある程度ゲームに慣れてからの方が無難か? |
如月未緒 | |
得意ジャンル:文学、社会、芸能 ED分岐条件:文芸部か演劇部をマスターする。 メガネっ子であり、読書大好きな文学少女。文学にはめっぽう強く、また、映画を観るのが好きなこともあって、芸能の話題も結構イケる。映画や俳優に関するクイズは任せてみよう。逆にスポーツやゲームといったものはまったくダメ(実のところこういう女の子は結構多い)。このあたりはときメモと同じだ。体育祭でも走るのが遅いので、パートナーに選ぶとえらい苦労するぞ。 |
紐緒結奈閣下 | |
得意ジャンル:科学、動植物 ED分岐条件:科学部か電脳部をマスターする。 非常に頭がよく、特に科学と動植物にかなり強い。したがって、困ったときは頼りになる。勉強に関わることなら高確率で当ててくれるぞ。なおパーティーでの女王さまのような衣装は健在だが、真・世界征服ロボとの戦いはなくなったのが残念。他にもときめきの放課後ではツンツンした部分がより強調された性格になっており、同時に、声を担当する中友子さんの演技も、ときメモに比べ低くめの声になった。 |
片桐彩子 | |
得意ジャンル:美術・音楽・芸能 ED分岐条件:美術部をマスターし留学する。 芸術に強いほか、歌が得意なこともあって、音楽や歌手のクイズに強いのが特徴。まずは美術で正解率を上げ、中盤は音楽と芸能でコツコツ稼ごう。アナザーエンディングはパリに留学する必要があるため、美術部をマスターしなければならないぞ。ちなみに留学先での片桐さんの髪型は、暴走気味の面白さがあるのでファン必見だ。一番面白い(?)アナザーエンディングかもしれない。 |
虹野沙希 | |
得意ジャンル:スポーツ、雑学(料理関連のみ) ED分岐条件:野球部かサッカー部をマスターする。 虹野さんはスポーツ関連、特に野球やサッカーのクイズに強い。なので、まずはスポーツ関連で正解率を稼ぎつつ、中盤以降は雑学の料理や食物に関するクイズを確実に当てていこう。スポーツのクイズだけでは限界があるのだ。なお虹野さんには野球部かサッカー部に入っていることで発生するイベントがある。マスターするかしないかはともかくとして、イベントを見るためにも部活は入っておくといいだろう。 |
古式ゆかり | |
得意ジャンル:スポーツ、雑学 ED分岐条件:髪型イベントの選択肢による。 おっとりマイペースな古式さんは、テニス関係のクイズに強い。また雑学で幅広い知識を見せつけることで、ときめき度がグンと上がっていくぞ。傾向としては、虹野さんとあまり変わらない感じ。エンディング分岐の条件となるイベントは、3年目の2月に起こることは確認している(時期が固定なのかどうかは不明)。三つ編みを解いた髪型が可愛いと褒めてあげればOKだ。分岐条件がやさしいのは助かる。 |
清川望 | |
得意ジャンル:スポーツ、動植物(植物関連のみ) ED分岐条件:水泳部をマスターする。 スポーツ万能な清川さんはやはりスポーツに関わるクイズは得意であるほか、植物、つまり花に関連するクイズにもかなり強い。スポーツを選び続けていても限界があり、植物関連のクイズの正解率を高めないことにはときめき度が最大値に達しないので注意だ。元々ときメモでもエンディングが2パターンあった清川さんだが、ときめきの放課後でもそれは健在。ぜひ同じ水泳の道に進んでみよう。 |
鏡魅羅 | |
得意ジャンル:おしゃれ、美術、芸能 ED分岐条件:美術or吹奏楽orバスケをマスターし留学。 自分の美しさに絶対的な自信を持つ鏡さんは、おしゃれのクイズはもちろんだが、将来の希望がモデルということもあって、芸能界のクイズもそこそこイケる。まずはおしゃれ重視で、中盤は美術と芸能を織り交ぜていくといいだろう。なお鏡さんはときめき度が上がってくると恥ずかしがって目をそらすようになってしまう。一見タカビーでも、意外とシャイなところがあるのだ。また徐々に声質もやさしくなっていくのが面白い。 |
朝日奈夕子 | |
得意ジャンル:おしゃれ、ゲーム、芸能 ED分岐条件:美術or吹奏楽orバスケをマスターし留学。 朝日奈さんは流行りものやゲームにめっぽう強い。ただし「流行りもの」といっても、ゲームが発売された1998年当時のものなので、今となっては昔のことなのだけど…。しかしそうであるからこそ、当時をほとんど知らない若い人にとっては頼りになる存在と言える、かも。ゲームや芸能は他のジャンルに比べて比較的難易度は低いように思われるので、ゲーム好きな人には簡単だろう。 |
美樹原愛 | |
得意ジャンル:文学、科学、社会、美術、音楽、動植物 ED分岐条件:美術or吹奏楽orバスケをマスターし留学。 美樹原さんは、得意ジャンルの傾向が詩織に似ている。一番得意な動植物(特に動物)のクイズを軸としつつ、勉強関連のクイズでコツコツと正解率を高めていこう。とはいえ、詩織ほど成績は良くないので、あまり頼りすぎるのはよくない。むしろ頼らずにクリアするくらいの意気込みである方が望ましい。なおアナザーエンディングではヘルメットの呪いが解け、まったく印象の違う美樹原さんが見れるぞ。 |
早乙女優美 | |
得意ジャンル:スポーツ、漫画・アニメ、ゲーム ED分岐条件:3年目の4月に好雄をパートナーにする。 後輩の優美ちゃんはゲームや漫画・アニメのクイズにかなり強い。スポーツはプロレスのものであればイケるが、それ以外はそれほど詳しくないのであまり頼らない方がいいぞ。基本的には、漫画・アニメとゲームの2つのジャンルだけを徹底して正解していけばOK。わりとすんなりクリアできるはずだ。初心者向けのキャラクターかもしれない。なお声優のよしきくりんさんのフリートークは今回も長く面白いので、ぜひとも聞いておこう。 |
館林見晴 | |
得意ジャンル:文学、科学、社会、美術、音楽、スポーツ ED分岐条件:1回でも他の人をパートナーにする。 得意ジャンルが詩織と同じで、本人の成績もなかなか良いため、結構頼りになる。ときめきの放課後でも相変わらず隠れてない隠しキャラ扱いなのだが、今回はパートナーとして最初から選ぶことができるようになったため、もはや隠しキャラですらなくなった。エンディング分岐はクリアまでに1回以上、他の人をパートナーにしていればOKだ。 |
伊集院レイ | |
得意ジャンル:文学、社会、美術、音楽、おしゃれ ED分岐条件:バスケ部をマスターし留学。 伊集院は上流階級の知識が豊富なほか、勉強もかなりデキる。宝石や衣服、ブランドデザイナーのクイズなどには特に強いぞ。学校のイベントでは、伊集院の意外な一面が見えるというものが多く、伊集院に対する認識が変わるかもしれない。注意したいのは、エンディングの分岐条件が「アメリカ留学」である点。つまり、バスケ部のマスターでないとダメなのだ。美術部マスターの留学では分岐しないので気を付けたい。 |
早乙女好雄 | |
得意ジャンル:ゲーム、芸能、おしゃれ ED分岐条件:美術or吹奏楽orバスケをマスターし留学。 親友である好雄は、勉強はからっきしだが、遊びに関することにはかなり強い。傾向としては、朝日奈さんに似ていると言えるだろう。野郎ふたりでゲームを進めていても面白くもなんともないが、ゲームに慣れるつもりで遊んでみるといいかもしれない。なお好雄はどんなにがんばってもときめき度を表すゲージが最大値の一歩手前で止まる。さすがに完全にときめくことはない。 |
ときめきの放課後では夏休みと冬休みに伊集院邸に行くイベントが起こるが、やはり今回もあの外井雪之丞に会うことができる。そしてときメモ同様、外井が主人公に心をときめかすイベントも用意されているのだが…どうしたら外井が心をときめかすのかの条件については秘密。まあ色々試してみてくれ。全然嬉しくないけどな!