上の画像は、PS版Fに付属している取扱説明書の、切り払いについての説明文をスキャンしたものだ(ちなみにFと完結編とで文章は同じ)。この一文を読む限りでは、「ビームサーベルや剣のような武器を持たないユニットは切り払いができないんだな」と誰もが理解するだろう。しかし実際は、
このようにビームサーベルや剣といった武器を搭載していない機体でも、パイロットが切り払い技能を持っていれば切り払いを発動してしまう。ユニットデータを確認してもらえれば分かると思うが、ゼイドラムもグラシドゥ=リュも、ゲスト機特有の剣属性の武器・レーザーソードは搭載されていないにもかかわらず、だ。ちなみに完結編ではどうかというと、
やはり完結編でもゼイドラムとグラシドゥ=リュは切り払いを発動する。これが設定ミスなのか、正しい設定なのかはウィンキーソフトに問い合わせてみないことには真相は分からないが、取扱説明書に書いてあることとは明らかに異なる現象なので、上記2機と戦うときは気をつけた方がいい。
ちなみにこうした「剣を持たないのに切り払いが発動する」というのは今のところ味方機では確認できていない。例えば切り払いを習得した甲児をダイアナンAに乗せても切り払いは発動してくれなかったし、同じく切り払いを習得した忍をイーグルファイターHの状態で戦わせても、切り払いは発動してくれなかった(もちろんダンクーガの状態であれば発動する)。さらにひどい話になると、完結編で登場するブラックウィングHは、パイロットのアランが切り払いを習得しているにもかかわらず、機体に剣に準ずる武器がないため切り払いが発動できないようだ。もしかして運悪くたまたま発動しなかったという可能性も捨てきれないが、いずれにしても切り払いを習得している敵ユニットが現れた場合、「剣を持とうが持つまいが、ウィンキーのことだから切り払ってくる可能性がある」、という覚悟をしておくべきかもしれない。
なお「搭乗するパイロットが切り払いを習得していても切り払いが発動しない機体」については、確認している範囲ではほかにもいくつかある。
マスターアジアは高い切り払いレベルを持つパイロットだが、マスターガンダム自体は切り払いを発動できないため、完全に宝の持ち腐れとなってしまっている。マスターは実質特殊技能は何も持たない状態と同じだ。
少し実験をおこなってみた。上の画面の状態で、反撃不能のとき、回避を選んだとき、防御を選んだときとで、切り払いもしくはシールド防御が発動するのかどうかを、調べてみた(レベル29のアムロはシールド防御LV3、切り払いLV6)。以下はその結果。
以上の結果を、分身の発動条件ともあわせて表にすると、以下のようになる。
行動 | 切り払い | シールド防御 | 分身 |
反撃不能時 | 発動しない | 発動しない | 発動する(※) |
防御選択時 | 発動する | 発動しない | 発動しない |
回避選択時 | 発動する | 発動する | 発動しない |
反撃選択時 | 発動する | 発動する | 発動する |
あくまでPS版Fでの実験なので、SS版Fでの発動判定とは異なる可能性は大きい。なお反撃不能時の分身については、ビルバインでは確認できたが、ゲッターライガーでは20回試しても確認できなかった。
ニュータイプのボーナス値については、ファミ通から発売された『PS版スーパーロボット大戦F 魂の加速コンプリートブック』には恐らく間違った数値が掲載されているので注意してほしい。例えばファミ通の攻略本には、ニュータイプレベルが7のときは+38、8のときは+40、9のときは+43となっている。これは、SS版Fの攻略本に掲載されているニュータイプレベルのボーナス値とは微妙に違う。とするならば、SS版とPS版とで、ニュータイプのパイロットのステータスには差が出るということになる。しかし実際にSS版のレベル40のアムロとPS版のレベル40のアムロを比べてみると、ニュータイプレベルがどちらも7であるのに、アムロのステータスに差は見られない。
もしファミ通の攻略本に記載されている数値が正しければ、PS版のアムロはSS版に比べ回避と命中が2低くなるはず。しかしそれがないということは、どちらかが間違っている。そこでニュータイプレベル7のボーナス値を計算してみると…
この、Fにおけるニュータイプのボーナス値というのはかなり強力だ。残念ながらFではサイコミュ兵器を持つ機体を入手できないが、レベル40のアムロ(ニュータイプレベル7)をキュベレイに乗せると、ファンネルの射程が10になることはPS版で確認している。
聖戦士レベルのボーナス値については、SS版Fの攻略本とPS版Fの攻略本とで数値がまるで違う。具体的にはやはりファミ通から発売された『PS版スーパーロボット大戦F 魂の加速コンプリートブック』のことで、この攻略本に書かれている聖戦士ボーナス値に間違いが多いのだ。例えばこの本には聖戦士レベルの修正表に「命中率」の項目があり(聖戦士レベルは命中に関係しない)、そこには例えば聖戦士レベルが3であれば+20のボーナスが付く、となっている。
仮にSS版とPS版とでボーナス値が違うとするならば、その能力値に差が出るはずだ。しかしSS版とPS版とで、レベルが1のときのショウを比べてみると、機種による差がないことは確認できる(上の画像参照)。すると問題は、聖戦士レベルに回避ボーナス値がショウにいくつ加算されているかということなのだが、ここでSS版FとPS版Fの攻略本を確かめてみると、レベル1のショウの素の回避値は、どの本にも「161」と記載されている(講談社、宝島社、ソフトバンク、電撃、ファミ通いずれも)。この数値が正しいものだとして聖戦士レベルが3のときの回避ボーナス値を逆算してみると、「176−161」で、ショウの回避には+15の回避ボーナス値が加算されているということになる。これはファミ通のPS版の攻略本に掲載されている聖戦士の回避ボーナス値とは明らかに異なる。
同じように、ファミ通の攻略本では聖戦士レベルによるハイパーオーラ斬りの攻撃力ボーナス値についても間違っている。具体的には7〜9レベルのボーナス値がまったく違う(1300、1400、1500になっている)。Fではレベルが40までしか上がらないので、本来は確かめようのない数値なのだが、それにしてもおかしな話だ。PS版Fで聖戦士レベルが9になったショウを無改造のダンバインに乗せると、ハイパーオーラ斬りの攻撃力は2200から4000に上昇することは確認している。
念のため調べてみたが、ショウのレベルと聖戦士のレベルが上がっても、SS版とPS版とでは、ステータスに差は見られない(画像はシナリオ20「浮上」でのもの)。