The  History  of  Super  Robot  Wars

スタッフスペシャルインタビュー・寺田貴信

――今回は第4次ベースですが、なぜ第4次ではなくFなのでしょうか?

寺田:第4次からかなり経っていますからね、ただの移植では許してもらえないでしょう。魔装機神や新SRWの開発中にも企画だけは進んでいました。その後サターンでも第4次をやることに決まり、「第4次スーパーロボット大戦プラス」の企画がスタートしました。ですが、4つの新キャラを入れたため、第4次の世界観を大幅に修正せざるを得ませんでした。それならいっそのこと完全新作にした方が作りやすいと阪田監督がおっしゃったため、現在のFの形になったわけです。もっとも、そのために構想が当初の予定より膨れ上がり、最終的なボリュームの面でCD1枚に収まりきらなくなってしまいました。そこで中途半端なボリュームで完結させるよりも、当初やる予定だったすべての仕様を盛り込みつつ、2つの作品にわけてそれぞれの完成度を高めるという方法をとることになりました。つまり2枚組の作品として出すのではなく、2本の作品にしてロボット大戦でやりたいこと、やりたかったことをすべて表現するということなのです。また、これがシリーズ10作目にして最高潮に至ったスタッフ陣のこだわりを余すところなく表現し、ユーザーの方々のご期待に応えられる最良の手段だと判断しました。現在、阪田監督をはじめとするスタッフ陣は「完結編」の開発に入っています。チャンスをもう一度いただくことで、さらなる新要素を取り入れたいとも思っています。史上最大のスケールになったこのFにどうかご期待下さい。

スタッフスペシャルインタビュー・阪田雅彦

――Fと第4次、ベースは同じストーリーですが、最大の違いは?

阪田:今回の『F』は、表向きは『第4次』の移植ということになってますが、本当は単なる移植ではなく、恐ろしいことにほとんど新作なんです!!ベースが同じといっても、話自体はぜんぜん違うものになってますよ。まあ、逆に同じところを探す方が難しい、ということですね。

――一番、扱いに苦しんだ設定やキャラクターは?

阪田:新しく入ったキャラクター、すべてです。設定としては、エヴァの設定が、もっとも組み込みにくかったですね。キャラクターも、その本来の作品という閉じた世界から、他の雑多なキャラクターの入り交じった世界に放り込まれると、性格も変化せざるを得ないところがありますから。そういうわけで、本来の性格から、やや変わってきているキャラクターもいますが、まあ、この作品自体の展開として、許してください。あ、それと、意外とガンダムWのキャラが、自己主張が強くて思ったよりもうまく動いてくれなかったのが印象深いですね。個人的にはリリーナ様やドロシー嬢は好きなんですけどね。

――スーパーロボット大戦ファンに何か一言お願いします。

阪田:できるだけプレイしてくださる皆様の不満をなくすよう、色々と努力を重ねてまいりました。まあ、要するに、「サービス  サービス」ということですね。

スタッフスペシャルインタビュー・神谷明

――主役を多く演じてられていますが、演じ分けのコツは?

神谷:キャラクター自体はだいたい覚えてますんで、それで戸惑ったことはないですね。ただ、ものによっては武器がたくさんありましたから、1つ2つは忘れているものがありまして…。でも、それはスタッフの方がよくご存知で、教えていただいてクリアーしたという感じで…。ただ、多くのものに関しては、大変思い出深い作品たちですし、非常に印象に残ってますんで覚えてましたね。で、こんな風に言ってたよな〜ってなことを思い出しながら、楽しくやらせていただきましたね。ただ、いっぺんに3役4役やりましたんで、終わったあと、喉が疲れたというのを感じましたね。まあ、1つの役をずっとっていうのはありますけど、いっぺんにいくつもの役、それも叫びっぱなしというのは、あまりないもんですからねえ。でも、基本的には楽しく。まさかその10年20年経ってね、あのキャラクターたちにまた自分がめぐり合うとは思わなかったもんですから…。それはそれは懐かしく、そしてまた嬉しくやらせていただきましたねえ。

――スーパーロボット大戦ファンに何か一言お願いします。

神谷:このキャラクターたちをよく知っている人たちが買ってらっしゃるんじゃないかと思いますから、思いっきり浸りきって童心に帰って遊んでほしいなって、色んなキャラクターを楽しんでいただければいいなって思います。

スタッフスペシャルインタビュー・石川賢

――真・ゲッターロボは漫画版とちょっと違いますが…。

石川:進化型ロボットみたいな形を取れればいいかなみたいなところがあって、最初の制作者側は、合体を目的に作ったんだけども、その方向からどんどんずれていくというねえ。キャプテンでやってた頃の漫画で続けるのはちょっときついだろうということで、その中間を埋める形がいいんじゃないかなと…それが、スーパーロボット大戦の真・ゲッターなんですよ。それで最終的には、キャプテン用の変形合体にしていきたいという…。まあ、無機質から有機質に変化していくということですかね。

――リョウ、ハヤト、ベンケイを再度デザインされたとき意図したことは?

石川:やっぱり、年齢的なところでかなり時間が経っているんで、大人にしちゃったということですね。まあ、漫画にはベンケイを出さなかったんでね、どうなっているかを考えながらというか、これから考えないといけないというか(笑)。

――過去の作品が、今また人気を得ていますが、どう思われますか?

石川:嬉しいは嬉しいんだけど、過去の作品にずっとこだわっているというのも、どうも変な感じがあってね。ロボットものをやるんであれば、もっと新しいものもやってみたいなっていうのもあったりして…。一回手を付けちゃうと、話が膨らんでなかなか離れなくなっちゃうからねえ。

スタッフスペシャルインタビュー・庵野秀明

庵野秀明氏のコメント:ファンのひとりとして楽しみにしています。

庵野監督の色紙

スタッフスペシャルインタビュー・カトキハジメ

――スーパーロボット大戦をどう思いますか?

カトキ:SDっていうちょっと可愛らしいキャラクターでプレイするところで、本来それぞれの世界観やファンを持ったものを、すべて許せてちゃうっていうんですか、OKにするっていうのがいいですね。

――リアルロボット、スーパーロボットについてどうお考えですか?

カトキ:リアルロボットっていうのはモビルスーツとその亜種、スーパーロボットはダイナミックロボットとその他若干ということでしょうか。コン・バトラーVとか明らかにダイナミック系ではないですけど好きですね。あれから始まった比較的リアルな合体をするスーパーロボット系って言うんでしょうか。まあ、そんなような気持ちを込めて描いたのがSRX(新スーパーロボット大戦に登場)だったんですけどね。合体変形は嫌いじゃないんで、今後ともそんな仕事はやっていきたいと思ってます。僕はアニメとか仕事では、リアルロボットしかやってないんですが、やっぱり子供の頃はスーパーロボットしかなかったですからね〜。とはいってもガンダムで人生変わったくちなんで(笑)。僕のデザイナー、というかロボット野郎としてのベースになっているのはリアルロボットですからね。

――スーパーロボット大戦ファンに何か一言お願いします。

カトキ:ガンダムもまだまだ続くと思いますし、パーソナルトルーパーも機会があったらデザインしてみたいと思ってますんで、応援して下さいってな感じで…。

スタッフスペシャルインタビュー・河野さち子

――スーパーロボット大戦のゲームをやったことはありますか?

河野:ええ、これだけ色んなロボットが出てくるゲームは、他にありませんからね〜、楽しくやってます。とはいっても、まだ全然最後まで終わらせてないんです〜。

――すでに湖川氏のキャラクターがあったわけですが、意識したところや、あえたしなかったところはありますか?

河野:何しろ湖川氏のファンのひとりだったんで、意識するなという方が無理な話で随分とイメージを引っ張られて苦労しました。最終的には、まるっきり“素”の状態から“別の新キャラ”をデザインするつもりで開き直ってやりました。それで上手くいったのがヘクトールとウィン、ミーナあたりだと思っています(自分的には…笑)。逆に前のイメージを最後まで引きずってしまったのがイルムやリンかな〜?とか自己分析しちゃってます。

――デザインするときに、気を付けていることはありますか?

河野:皆違う顔にしたい…。当たり前ですけど人数が増えてくるとえらいっこっちゃなんですよね〜。でも、キャラクターそれぞれの個性がにじみ出るようなものにしたいな〜といつも心掛けています。グレースのセリフなんか超好きですし…。

――スーパーロボット大戦ファンに何か一言お願いします。

河野:1時間(1ターン)ゲームしたら、ちょっと眼を休ませましょうね。