【横山秀幸】
…女神転生シリーズのプロジェクトを大きな観点からリードする、アトラスの重鎮。これからのあらゆるハードに心をめぐらせている。
もともと女神転生シリーズは、FFやドラクエを意識しないで作り続けているんですね。唯一、コンセプトとして大切にしているのは“デジタル・デビル”。コンピュータの中にいるデジタライズされた悪魔のイメージです。ここから現在に至るすべてが生まれました。
たとえばデジタルは0と1の世界。だったら悪魔だって合成できるだろう。この発想から合体システムができた。で、そこから合体した悪魔とはどうやって付き合うんだと。単にやっつけたから、合成したから仲間になったというんじゃなくて、やはりインタラクティブなやりとりが必要じゃないか。それで会話のシステムを練りあげていったんです。
これからもデジタル・デビルのコンセプトは続きます。バリ島のランダのように偶像的な神様は、まだまだ世界中に潜んでいて、他の宗教から見ると悪魔だと言われる。神か悪魔かという論議じゃなくて、それを敵にまわしたり仲魔にできたりする。我々が知らないそんな存在を、ゲームの中で追いかけてみたいですね。
今、ゲームボーイの「ラストバイブル2」をやってるんですけど、いわばこれは女神転生の創世記の物語です。いつかこのシリーズをスーパーファミコンでやって、女神転生でやれなかったことを盛り込んでいきたい。例えば、なぜルシファーは翼をおとされたのか、とかね。また、女神転生の会話とか合体といった創造的な部分だけを独立させたゲームなんかも考えています。
真・女神転生以降、その続編やここから生まれてきた様々なゲームすべてをひっくるめて、ゲーム業界唯一の世紀末ソフトとして人気を独占していきたいと考えています。