第3次スーパーロボット大戦の読み込み速度を実機で比較

 2011年1月26日、PSストアにてウィンキーソフト制作の旧スーパーロボット大戦シリーズ『第2次スーパーロボット大戦』『第3次スーパーロボット大戦』『スーパーロボット大戦EX』の3作品が配信開始された。ウィンキーソフト制作のスパロボといえば、「難しい」「戦闘デモをスキップできない」「戦闘開始までの読み込みが遅い」などのイメージを持つスパロボファンも少なくないのではと思う。

 「難しい」という難易度の問題は個人のとらえ方による部分も大きいと思うのでこれは少し置いといて、やはり大きな問題は「戦闘デモをスキップできない」「戦闘開始までの読み込みが遅い」という部分だろう。ゲームプレイの大半はまさにこれによる時間の消費であるのだから、読み込み時間はなるべく速いに越したことはない。この度配信され始めたアーカイブス版はあくまでそのままの形での移植であって、戦闘スキップなどの新機能は搭載されていない。しかしPSP、あるいはPS3にフルインストールして遊ぶことができるようになったため、ディスクからの読み込みしかできないPSもしくはPS2でのプレイよりは、少なからず読み込み速度は速くなっているはずだ。

 そこでアーカイブス配信を記念して、実機とアーカイブス版では戦闘開始から戦闘終了まで、どの程度読み込み速度(1戦闘の経過時間)に差が出るのか、時間を計測してみることにした。


準備と注意事項

実機写真

 まず今回の実験に使う本体は、PS1(SCPH-5500)、PS2(SCPH-10000)、PSP3000の3機。ソフトは単品版の第3次スーパーロボット大戦と、アーカイブスで配信された第3次スーパーロボット大戦を使う。以下に詳しい計測ポイントを書こう。

戦闘開始

 スタートは↑のこの画面からとする。状況を具体的に書くと第1話「暗雲」の2ターン目だ。北側から南下してきたドラッツェに対し、マジンガーZの冷凍ビームで攻撃をする。この状態で○ボタンを押したと同時に計測をスタート。

台詞開始

 画面が切り替わり、甲児の声が発せられた瞬間を「Aポイント」とする。そしてこのあと敵の反撃でダメージを受けたところでひとまず終了。画面が再びマップに切り替わるのを待つ。

戦闘終了

 そしてこの画面が表示された瞬間を戦闘終了とし、計測を終了する。これを「Bポイント」とする。つまりまとめると「Aポイント」はマップ画面から攻撃が始まるまでの時間、「Bポイント」はひとつの戦闘が終了するまでの戦闘全体の時間、ということになる。

 注意してほしいのは、この実験はあくまでも特定のケース上での大まかな目安でしかない、というところだ。戦闘で再生される音声の内容やアニメーションの種類による違いももちろんだが、個人の環境によっても多少の誤差が出ることは間違いないだろう。例えば本体の型番による違いや、ディスクに傷が付いていたりすることで、差が出るかもしれない。特にPS2に関しては初期型での計測となるので、後期の薄型PS2を持っている人とではもしかしたら大幅に違う可能性もある。
 またアーカイブス版にしても、PSPに使用しているメモリースティックデュオによっても、読み込み速度には多少の差が出るだろう(ちなみに今回使用するのはサンディスクの8GB)。PS3のHDにインストールした場合も、また違う結果が出ると思う。残念ながらPS3は未所持なので調べられないが、もし持っている人は確認してみてほしい。

 繰り返しになるが今回の実験はあくまで「マジンガーZが冷凍ビームで攻撃して反撃を受けたときの時間」の目安。こんなもんかなぁという程度の認識でとらえてほしい。なおPS2とPSP3000に関しては、読み込み速度をノーマルと高速とで計測してみることにする。

結果とまとめ

本体 Aポイントまで Bポイントまで
PS1 SCPH-5500 11秒 45秒
PS2 SCPH-10000(ノーマル) 9秒 42秒
PS2 SCPH-10000(高速) 7秒 37秒
PSP3000(ノーマル) 4秒 28秒
PSP3000(高速) 3秒 26秒

 まずPS1とPS2(ノーマル)では全体の時間にそれほど違いは出ないものの、PS2の読み込み速度を高速に設定することで、そこそこ時間が短くなることが分かった。ただ、それであっても長いと言えば長いものなので、大きな効果が出た、というところまではいかないと思う。
 やはり一番いいのは今回配信されたアーカイブス版。声が出るまでの時間と戦闘が終わるまでの全体的な時間のどちらもがCD-ROMを読み込むより断然速い。特に戦闘開始まで10秒以上待たされたPS1と比べると、その差は歴然。戦闘デモカット機能に慣れた世代のスパロボユーザーの人からしてみればそれでもなおテンポが良くないと感じるかもしれないが…。

 僕は未所持なので分からないが、PSPgoの内部メモリなら、もう少し読み込みは速くなるかもしれない。ともかく今回のアーカイブス版は、ゲーム自体をフルインストールできることで、データロードにかかる読み込み時間が大幅に改善されたということが確認できた。これは大きな魅力と言っていいだろう。

スパロボに思うこと

 話が少しそれてしまうのだが、昨今のスパロボにおける戦闘デモカット機能、あれはたしかに便利なのだが、しかしどこか虚しいというか、ふと「自分はこのゲームの何が楽しくてプレイしているんだろう」という感覚が、自身の心に流れこんでくるのは僕だけなのだろうか。
 実のところスパロボは、戦闘デモがカットできることで便利に、スムーズに遊べるようになった反面、ゲームとしてはとても無味乾燥なものになってしまったのではないかと思う。極端な話、今のスパロボは、「戦闘アニメを見るだけのゲーム」であり、それしか見るべきところがない。いくらハードが進化してもゲームの中身自体は進化がなく、そして唯一のウリである戦闘アニメですらカットできるのだから、あとはただボタンを押すだけの作業になってしまっている。
 スパロボの歴史というのは大まかに言ってα以前と以後とで分けられると思うけど、α以前、つまりウィンキーソフトのスパロボは、そりゃ難点も多かったが、リアルタイムで遊んでいた当時は、「ロボットアニメが夢の共演」であることに加え、ちょっと意地の悪いバランス設定が、ゲームとして楽しかった。「ゲームとして面白くない、進化がない」という致命的な欠陥が、昨今スパロボが年々売り上げを落としていっているという現実につながっていると思われる。

 第2次αまでを遊んだところで「もうダメだなこりゃ」と感じた自分は、結局グルッと回ってまたウィンキーソフトのスパロボに戻ってしまった。昔のスパロボはハデな戦闘アニメもなく、戦闘デモカットもなく、まして援護攻撃や援護防御もない、非常にシンプルなゲーム設計だが、ユニット1機1機に個性があり、難易度からくる確かな手応えもある。今になって思えばウィンキーソフトなりの味付けが、不思議な中毒性として作用していた。だからこそ、「ゲームとしての人気」を着々と得ていけたんじゃないだろうか。

 ネット上では『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』に関して、「戦闘バランスが悪い」と散々な言われようだけど、僕自身としては「そんなことはない。コンプリートボックスの戦闘バランスは良い」と、あえて声を大にして言いたい。そして「戦闘バランスが悪い」と言う人には、「その感想はただ単に数値だけを見て判断しただけじゃないですか?ネット上の感想を鵜呑みにして知ったかぶっているだけじゃないですか?」と、問いたい。

 今回のアーカイブス版配信により、このゲームの評価が少しでも見直されることを期待している。「最初から強いユニットがないからクソゲー」「単騎無双ができないからクソゲー」「敵を倒しても少ししか金が手に入らないからクソゲー」などという評価は、とても正当な評価とは思えない。むしろこんな意見におもねったバランス設定のゲームこそ、クソゲーと評してしかるべきだろう。そういうゲームにスパロボは堕落してしまったからこそ、過去のスパロボを語るときにこのような意見が出るのだろうか。だとしたら、それは色々な意味で不幸なことだと思う。
 発売から10年以上経った今、旧スパロボを初めて、あるいは久々に遊んでみるという人は、ネット上での意見を振り払った上で、ゲームとして面白いのかどうか、素直な気持ちで遊んで確かめてもらいたいなと、切に願うばかりだ。


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