マハー・コーラ・サンニ・ヤカー。ヤカーとはヤクシャのこと。スリランカの病魔の王で、18種の病気をもたらす18人の子悪魔を従えている。
三叉路や井戸端などに現れ、人間に病気や狂気をもたらす。スリランカではこれを治療するために半身のカボチャを供え、呪術師が祈祷をおこなっていた。またヤカーの目は凶眼であり、その眼で見据えられた者には不幸が訪れるという。
悪と闇の象徴である吸血鬼。神の代理人クルースニクと激しく対立する。
疫病・凶作・不運などの人間に起こる凶事すべては、クドラクによるものだとされる。彼は罪のない者や無防備な者に襲いかかる。クルースニクと戦うとき、クドラクは馬や豚などに姿を変えるが、常にその色は闇を象徴する黒である。死体となったクドラクは、二度と復活しないようにセイヨウサンザシの杭で串刺しにされる。
英語で人喰いという意味である。男喰いという意味にもとれ、一般的には男を食い物にする女を指す。女の魔性には、そうした性質が常に潜んでいるものだ。
彼女らは自分の魅力を力として行使し、男たちをその気にさせて、心も金も貢がせて振りまわすのだ。男たちは彼女のちょっとしたご褒美に狂喜して、次の奉仕の命令に待機する。彼女たちの究極の愛は、愛する男の肉体を喰うことによって成就されるのだ。
砂漠に現れるアラビアの食人鬼。『アラビアンナイト』に何度か登場する。ただし、グーラー(グールの女性形)の活躍の方が印象的だが。
一説ではグールはジンの一種だともいう。動物や異性に化け、皮膚の色すら変えて人間を騙し、背後から近づいていくのだ。基本的には悪質な死霊の一種であると考えてよいだろう。特徴としては、色が黒くて毛深く、面長で耳が長めであったり、目が少し飛び出ているという。どうやら黒人をイメージしているようだ。
夜間、道を歩いていると現れて、背中におぶさるという妖怪。おんぶオバケ。オバリヨンは夜にやぶの生い茂った道などを歩いていると、肩や背中に乗ってくる妖怪で、現れるときに「オバリヨン(おぶさりたい」と声をかけることからこの名が付いた。
オバリヨンが乗ってくると肩が急に重くなり、大変苦しむ。大抵の人間はまいってしまうが、家まで連れて帰れば小判に変わるとされる。
ヒンドゥー文化圏で浮遊霊のプータ、プレータ、または悪霊ブータと言い、現世に対する欲望の強い霊である。
現世で物欲の強かった人、食べ物に貪欲だった人が餓鬼になるとされ、飢えた悪霊を意味することとなる。彼らの飢えは永遠に満たされることがなく、しかも現世のものを取って飢えをしのぐことはできない。そのため彼らは地上にまで上がってきて人に憑依し、その者の身体を通じて欲求を満たそうとする。