魔獣パスカル

パスカル【出身地:日本】

 別名グレートパスカル。『真・女神転生』の主人公の家で飼われていたハスキー犬のなれの果て。

 パスカルは悪魔と合体させることで魔獣ケルベロスとなる。が、それはSFC版の話で、他機種に移植されるにあたりパスカル個人として設定しなおされた。バオー・アームド・フェノメノンか?と思わせる外見である。

魔獣ケルベロス

ケルベロス【出身地:ギリシア】

 台風の象徴たる巨人テュフォンと、多くの怪物の母である蛇神エキドナとの間に生まれた由緒正しいギリシアのモンスター。地獄の入り口を護る番犬で、地獄に許可なく入ろうとする者や、地獄から脱出しようとする者を見張るのが役目だ。

 伝説では三つの頭を持ち、背中には無数の毒蛇を生やしている。尾は龍になっており、黒くて大きな牙を生やしている。しかしケルベロスは意外にも甘党で、その好物は蜂蜜の入ったケーキである。古代ギリシアでは、冥府の河ステュクスの渡し守カロンへの船賃として銅貨一枚と、ケルベロスに噛みつかれないように蜂蜜のケーキを柩に入れたという。

 『真・女神転生』では虎のような体躯を持った、たてがみを生やした獣で、犬というよりは獅子に近い。神社の狛犬はこのケルベロスの変形であると見ても良いだろう。狛犬は獅子であるが犬と呼ばれ、神社の結界を護る番犬として鳥居の奥に座っているのだ。

魔獣オルトロス

オルトロス【出身地:ギリシア】

 ケルベロスの異夫弟。

 地中海よりもさらに西の果ての国に三頭の巨人、ゲーリュオンが住んでいた。その牛飼いをエウリュティオン、番犬がオルトロスである。英雄ヘラクレスの手で、牛飼い共々殺された。

魔獣ストーンカ

ストーンカ【出身地:ブルガリア】

 ブルガリアの牛の魔獣。ブロンズのような皮膚を持ち、その咆哮は大地を揺るがす。

 牛の魔獣は太古より雷雲の化身と考えられていた。その声が雷鳴を表し、疾走する姿は、黒雲が大空を駆け抜けるようである。

魔獣ネコマタ

ネコマタ【出身地:日本】

 日本や中国では年を経たものは何でも精を蓄え、妖怪や妖仙と化した。ネコマタも年を経た飼い猫が化け猫になったものだ。

 猫は50年を過ぎると尾が二股になり、人語を解するようになる。人が目を離した隙に、二本足で立って歩いたり踊ったりする。さらに人間にも化身できるようになる。この場合は女性が多く、老婆であることもよくある。さらに強力になると、人間の手足の自由を奪ったり、死体を操ったりするほどの呪力を持つという。

魔獣ウェアキャット

ウェアキャット【出身地:日本】

 人猫。月の影響により、猫と化した女。

 猫ならではのしなやかさと運動能力、出し入れのできる鋭い爪が武器である。

魔獣ケットシー

ケットシー【出身地:スコットランド】

 スコットランド地方高地の猫の妖精。犬ほどの大きさがあり、全身の黒い毛のうち、胸の部分だけが白くなっている。知性に輝いた緑色の目をしていて、もちろん人間の言葉を理解することができる。気配を消して闇から闇に知られることなく移動することもできるが、普段は正体を隠して普通の猫のフリをしている。これは日本のネコマタも同じである。

 ケットシーは木のうろの中や廃屋に自分たちの王国を持っており、人間同様に王族や僧侶、一般市民がいるという。彼らは普段人間に危害を加えることはないが、人間が猫を虐待した場合は彼らの王族がその不届き者を王国まで引っ立てていくと言われている。ペロー(Charles Perrault)が書き留めたフランス民話の『長靴をはいた猫』の牡猫もケットシーの仲魔である。