名は「敵対者」という意味である。元来は天使であり、人間を試すために遣わされ、そこで罪を犯した者を主に報告し、告発する役割を持っていた。サタンは一般的にはルシファーと同一視される。天上にあってはルシファーであり、地に堕ちてサタンということである。しかし『真・女神転生2』では、この二者は別の者と考えている。
一般にキリスト教でのサタンは、誘惑者としてエデンの園でエヴァに知恵の実を食べるように勧めた蛇であるとされる。サタンが古き蛇と言われるのはこのためである。ルシファーもまた、元々人類に知恵をもたらす光の天使であるので、こうした混同はされやすい。しかし『真・女神転生2』ではサタンの起源はエジプトの邪神セトに求めている。セトもまた蛇に化身し、エジプトの主神たちに立ち向かったからだ。ストーリーの中でサタンたるザインが暗黒の龍、セトと合体することで本来の力を手に入れるのは、こうした結びつきがあるためである。
また元来階級の低かったサタンの名は、セトの犬という意味の「セト・アン」から来ているとも言われる。人智学では、サタンはアンリ・マンユ、英語でのアーリマンと同一とされ、その本性は怜悧にして実利のみを追求し、功利主義者であるという。つまり資本主義社会はサタンに支配されているというのである。
ユダヤでは天使の中でもっとも偉大と言われる。神の顔、契約の天使、天使の王、万物の創造主、小ヤハウェなど様々な呼称を持つ。他の天使たちが御使いの意味の「エル」の名が付くのに対し、メタトロンは例外であるのも、彼が特別な存在であるせいであろう。そしてそれだけに様々な神学上の解釈がメタトロンにはなされている。実に謎の多い天使だ。
メタトロンは最高位のセラフの一人に数えられるが、異説も多い。ある伝承によればメタトロンは血に飢えた天使であって、自分に背く人間を嬉々として何百人も串刺しにして、苦悶のうちに死なせるという。ゆえにメタトロンはサタンとしばしば同一視され、天上界にあってのサタンの姿とされる。あるいはまたメタトロンの前身は、『創世記』に登場するエノクだとされている。
数秘術によれば、メタトロンは神霊シャダイと同じ運命数を持つ。すなわち二者は同一だというのだ。
「神の力」を意味し、水の属性を表す。タロットカードでは最後の審判のラッパを吹き鳴らし、死者を復活させる天使として描かれる。背徳の街ソドムとゴモラを焼き尽くしたのは、このガブリエルである。
聖母マリアに受胎告知をしたことでキリスト教徒には親しみ深い天使である。またイスラム教徒にとっても、コーランをモハメッドに書き写させた天使として、大いなる尊崇を受けている。普通天使は男性あるいは両性具有として描かれることが多いが、ガブリエルは例外で、女性として描かれている。ガブリエルに関する絵画は多数存在するが、その手に携えているユリが象徴するものとは処女性であるという。
四大天使に数えられる内の一人。力天使を支配し、風の要素を持つ。熾天使としての六枚の翼を備え、その地位を持っているが、天使学では力天使という説が一般的である。しかし同時に智天使、主天使、能天使にも属し、古くは大天使であった。
名の意味は「癒しの天使」または「神の薬」であり、医療と結びつくことから「蛇」に結びつけられる。四大天使の中でもっとも慈愛に満ち、穏やかで、明朗活発な性格である。
名の語源は「神の火」に由来し、タルタロス(地獄)を支配する。地獄の業火は、火山の火口になぞらされ、神の火はその噴火である。炎の属性を持ちながら地の属性を与えられたのは、火山に結びつけられたからだろう。
地獄でのウリエルは閻魔大王さながらに、汚れた死者の魂をさんざん拷問で苦しめる。このように法に関してひどく厳しい天使であったと言われる。最後の審判の時には地獄の門の閂を折り、地上に投げつけて破壊し、地獄から死者の魂を地上に導き出すという派手な役割を負っている。
戦の天使。名の意味は「神を見る者」。能天使を率いて天国の門を護る、一種の鬼神である。火星の象徴を持つ猛々しい天使だ。
カマエルの指揮下には破壊・罰・死などの14万4000人にも及ぶ天使たちが控えており、神の掟に逆らう者や堕天使に対して鋭く目を光らせている。こうした破壊的な性格ゆえに、カマエルは多くの悪魔を引き連れた地獄の男爵であり、赤い豹の悪魔でもあるという説もあるほどだ。
予言者エゼキエルの前に現れた天使。
オファニムは通常の天使と容姿が大いに異なる。4つの顔、4つの翼、直線的な脚を持ち、足の裏は仔牛のようであるという。4つの顔は牡牛、獅子、鷲、青年の顔で、それぞれ占星術の金牛宮、獅子宮、天蠍宮、宝瓶宮を表している。名の意味はヘブライ語で「輪」の複数形であり、天球を表すと考えられている。その形状は青銅のようにメタリックに光り、一対の車輪を持ち、燃える炭火のようであったという。
人間が必要な知識を的確に扱えるかどうか監視する目であり、さらにそうした人間に知識を与え、正しい道に導く役目を持つ。
ソロネの長であるが、ケルプの上に位置するとも言われる。
アイルランドにキリスト教を広めた聖人パトリックに啓示を与えた天使。ヴィクターの役目は指導的役割を担う人物に、神の意志を伝えることであったらしい。
パトリックはアイルランドの裕福な家庭に生まれ育ったものの、誘拐され、奴隷にされてしまった。なんとか奴隷生活から逃げ出した彼はフランスへ渡った。そこでこの大天使ヴィクターの啓示を受けた彼は、故郷アイルランドに戻り、神キリストの教えを広めた。