魔王ルシファー

ルシファー【出身地:イスラエル】

 魔界の悪魔を統べる存在である。名は『明けの明星』、『金星』などを意味する。かつては熾天使として神に次ぐ地位にあったが、神に対し反乱を起こす。しかし戦いに敗れ、堕天した。なおサタンと同一視されることもある。

 女神転生シリーズではしばしば重要なポジションのキャラクターとして登場し、時に敵として、時に仲魔として救世主と係わりあいを持っていた。しかしいつからか、どこぞの高校生にこき使われるほどにまで威厳が低下し、現在は魔王としての風格もなく、ただペルソナとして呼び出される毎日を送っている。

魔王ロキ

ロキ【出身地:北欧】

 『デジタル・デビル・ストーリー  女神転生』に登場。中島朱実がコンピューターを使って呼び出したデジタル・デビル。ギリシア彫刻のような凛とした表情と、身体の鱗が特徴。劇中では身体をピンクの原形質に変化させ、次々に人間を襲っていった。

 エログロな描写が多く、非常に印象深いキャラクターである。ゲームの女神転生シリーズでレギュラーメンバーであるのは、そういう事情なのかもしれない。
 また『真・女神転生デビルサマナー』のロキも身体に鱗があるが、金子一馬氏はワールドガイダンスのコメントで、「このデザインは、どっちかっていうと北爪さんっぽいロキです。ちょっと鱗っぽい」と述べている。なぜデビルサマナーでは原作を意識して描いたのか、なかなか興味深いものがある。

魔王サタン

サタン【出身地:イスラエル】

 『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』におけるサタン。

 銀座の地下にルシファーを封印し、人間に化けて東京を監視していた。鈴木社長の姿からこの魔王の姿へと変身するシーンを想像すると、中央の竜(?)の顔は、あの大きな腹を食い破るかのように出てきたのではないだろうか。

魔王ベルゼブブ

ベルゼブブ【出身地:シリア】

 悪魔を支配する地獄の君主。堕天した熾天使の王にしてルシファーに次ぐ者とされる。「蝿の王」、または「糞山の王」の意。七つの大罪のうち「暴食」を司り、人の自尊心をくすぐって罪に誘う。巨大な蝿の姿で表される。

 蝿は再生を願う魂のかりそめの姿とも考えられていた。蝿の王は死の王であり、ハゲ鷹と同様、死者の魂の運び手とも考えられた。つまり、魂の支配者なのであった。また蝿は腐敗の象徴でもある。彼らは死骸を母なる大地に還す、聖なる使命を持つ者ともされたのだ。必然的にベルゼブブは死霊の主ということになる。元来ベルゼブブは、カナアンの主神バアルがユダヤ教徒たちに堕としめられた姿という。キリスト教では、悪霊の王ということから、この名がサタンの別名とも考えられるようになった。

魔王ベルゼブブ

ベルゼブブ【出身地:シリア】

 『真・女神転生Ⅱ』のベルゼブブ。

 普段は人間形態を取るが、本気モードになるとこのように変身する。余談だが原画と違って髑髏の首飾りは描いていない。このサイズではゴチャゴチャしてしまうだけなのでカットした。

魔王ベルゼブブ

ベルゼブブ【出身地:シリア】

 『真・女神転生』での、人間形態を取るベルゼブブ。

 カオスの代表として東京に乗り込んできたベルゼブブであったが、ルシファーの要請で主人公に力を貸すことになる。

魔王ザンデ

ザンデ【出身地:不明】

 FC用ゲームソフト『FINAL FANTASYⅢ』に登場したボスキャラクター。クリスタルタワー最上階にて待ち構える。

 かつてザンデは大魔導師ノアのもとでドーガ、ウネと共に学んだ同窓の徒であった。あるときノアは自らの寿命を悟り、ドーガには自分の魔力を、ウネには夢の世界を、ザンデには人間としての命をそれぞれに託した。しかしザンデは「つまらないものしか貰えなかった」と腹を立て、ドーガらと決別、闇の力を手に入れるべく一人旅だってしまう。

 「暗闇の雲」を呼び出す直前で光の戦士たちにより倒されるが、そのあとの闇の世界にて「ザンデクローン」という再生怪人として突如復活する。「ファファファ…」というお約束の台詞といい、死んだ直後にクローンが出てくるという安っぽさといい、まさにラストバトルへの前座にふさわしいキャラクターと言えるだろう。なおゲームとポーズが異なるが、今回は天野喜孝氏のイラストを参考にさせてもらっている。

魔王マーラ

マーラ【出身地:インド】

 魔。振り仮名を付けるように魔羅と書く。悪魔そのものと言ってよい。完全な悪であり、人の心の隙間に忍び込み、すべてを破滅と堕落へ導く扉を開ける。まさに魔がさすのである。

 マーラが恐れることは、人々を導く聖者の誕生である。仏教ではキリストを誘惑したサタンのように、誘惑者として修行者を妨害する。魔は根深く、世界の東西の端々で意味が変化しながら残っている。日本では男根をマラと呼び、英語でmareは悪夢のことである。

魔王スルト

スルト【出身地:北欧】

 北欧神話の炎の巨人族、ムスペルたちが住むという灼熱の国ムスペルスヘイム。スルトはその王であり、守護神である。その名は黒煙を意味する。炎の剣レーヴァンテインのひとなぎで敵を焼き尽くす。

 神々の戦い「ラグナロク」に民を率いて参戦し、ただひとり生き残る。最後に炎を世界に放ち、世界をひとたび焼き尽くすと言われている。そして世界は一度水に沈み、滅びる。そして浄化された世界は水底から引き上げられ、再生されるのである。

魔王アリオク

アリオク【出身地:イスラエル】

猛き獅子という意味の名を持つ、復讐の魔神。エノクの書に書かれたときはまだ天使であったので、天使の反逆以降に堕天使となった、新しい大物悪魔である。

ダゴン同様の悪魔としての目立つ伝説はないが、近年マイケル・ムアコックの小説『永遠の戦士』で登場する。ムアコックの世界も、多少『真・女神転生』とは違うものの、ロウとカオスの概念で仕切られている。アリオクはカオス・サイドの悪魔として、重要な役割が与えられている。剣の騎士と呼ばれ、その姿は千変万化する。

魔王バエル

バエル【出身地:シリア】

 ベルゼブブと同じ起源の悪魔。ユダヤとパレスチナは未だに醜い争いを続けているが、その戦いは神話時代にまで遡れるのだ。

 ユダヤ=キリスト教神話は、徹底的にパレスチナの神バアルや地母神イシュタルを攻撃し、堕としめている。バエルはその起源の通り、東を治める悪魔の王とされる。ひき蛙、または猫の姿、または人間とそれらが同時にある形で現われる。またさらにそれに蜘蛛の身体まで付けられる。

魔王ダゴン

ダゴン【出身地:バビロニア】

 バアルの父神。その起源は古く、メソポタミアのアッシリアでも崇拝されていた魚の神である。さらに古く、同じメソポタミアのシュメールに文明をもたらしたとされる魚神オアンネスとの関係があるかもしれない。オアンネスはペルシャ湾より上陸した半魚人だったからだ。

 ダゴンは悪魔としては目立たなかったが、近年H.P.ラヴクラフトの神話体系に組み込まれた。そこでは「深き者ども」と呼ばれる半魚人を従え、深海を支配する太古の異形の神として描かれている。

魔王ベルフェゴール

ベルフェゴール【出身地:シリア】

 元々はフェニキア、カナアンの豊穣神、バール・ペオールだった。これは「ペオル山の主」または「割れ目の主」という意味である。男根の神であり、割礼の神でもあった。

 便座の玉座に座る姿は、コラン・ド・プランシーのアイデアである。悪魔学による七つの大罪では、人間の「怠惰」の罪を司っている。現在はフランスに在って、パリの守護悪魔になっているという。

魔王ラーフ

ラーフ【出身地:インド】

 霊薬アムリタを飲み、首だけ不死になった魔族。日食や月食を起こすとされる。

 神々が不死の霊薬アムリタを飲んでいると、ラーフというアスラが神のフリをしてこれに紛れ込んだ。ラーフはアムリタを飲もうとしたところ、太陽と月に正体を見抜かれる。ヴィシュヌはすぐにラーフの首をはねたが、すでにアムリタがまわっていた首から上は不死を得ていた。ラーフはこのときの恨みで、太陽と月を追うのである。

魔王バロール

バロール【出身地:アイルランド】

 ケルト神話の一つ目の魔王。その視線を浴びた者はたちまち戦闘能力を失うという。

 バロールは神々の敵であるフォーモリア族の首領で、その恐ろしい邪眼で名を轟かせた。彼の軍勢は神々の脅威であった。太陽神ルーは単身で彼に挑み、バロールがその邪眼を見開いた瞬間、彼は邪眼に石を投げつけて倒した。かつてある予言者が言った通りに、バロールは自分の孫の手にかかって死んだ。