妖精マブ

マブ【出身地:イギリス】

 ケルトの妖精族の女王。またクー・フーリンの仇敵でもある。

 鈴木一也原作のコミック版『真・女神転生』では、普段は「マベル」というピクシーの中に閉じこめられていたが、澁澤京子が相馬小次郎を救出すべくその封印を解いた。
 やや高慢な性格だが、宮内庁の特務機関・デビルバスターをひとりで壊滅させるなど、その実力はかなりのもの。それだけに召喚には相当量の生命マグネタイトを必要とするらしい。

 なおマブの掌にはもうひとつの目があり、そこから魔力を発しているようである。

妖精オベロン

オベロン【出身地:イギリス】

 シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』に出てくる妖精の王。生まれた時に呪いをかけられた為に身体が小さく、その大きさは三歳の子供ぐらいしかない。

 オベロンはさまざまな役目を持っており、月の光と夢を司ること、舞踏会用の靴や儀式をとりしきること、優雅さの宝を預かる長、空気の精霊の守り神などである。妖精は人間に恋心を抱くことがあるが、オベロンも例外ではなく、『真夏の夜の夢』の中では、ティターニアとお互いお気に入りの人間をめぐり、夫婦間でいさかいを起こしている。

妖精ティターニア

ティターニア【出身地:イギリス】

 『真夏の夜の夢』に登場する妖精の女王で、妖精王オベロンの妻。名は「大地の娘」という意味で、ギリシア神話の狩猟の女神アルテミスと同一神格のローマ神話の女神、ダイアナ(ディアナ)の通称からこの名前を受けている。

 一般的な妖精の女王というわけではなく、あくまで『真夏の夜の夢』における妖精の女王である。ティターニアは気に入った男を見つけると、妖精の国に引きずり込み、飽きるまで愛を注ぎ込むという。

妖精ナジャ

ナジャ【出身地:フランス】

 エルフの少女である。

 『真・女神転生Ⅱ』では主人公に恋をし、無償の愛を捧げる。主人公と共にヒロコを救出したあと、二人の仲に気付いた彼女は、主人公とは一緒になれないことを悟る。それでも少しでも彼のそばにいたいと願い、ヒロコの守護霊のような存在となって、二人を守り続ける。

 シュールレアリズムを提唱したフランスの作家、アンドレ・ブルトンの小説に同名の小説があり、登場する少女の名がタイトルにもなった「ナジャ」である。彼女はエルフのナジャのような献身は見せないが、自分の愛の見返りに何かを得ようとする女ではなかった。

妖精バンシー

バンシー【出身地:アイルランド】

 アイルランドの死の妖精。一般に天寿をまっとうせずに死んでしまった美しい乙女であるとされる。

 由緒正しい旧家や音楽の才能のある者の家に憑き、その家の者が死ぬ時に現れて泣き叫ぶ。特に徳の高い者が死ぬときは、大勢で現れて泣く。いつも泣いているために真っ赤な目をしており、青白い顔から長い髪をなびかせ、不吉な灰色のマントをまとっているという。元来バンシーとは単に「妖精の女」という意味である。これはケルトの大母ダヌーのことを指すとも言われている。

妖精エルフ

エルフ【出身地:西欧諸国】

 西欧の代表的な野山の妖精。

 ケルトでは古墳に住むとされ、シー(塚)と呼ばれるダナーン神族の末裔である。またキリスト教では、天国に入れないが地獄へも落ちる程でない魂たちとも言われる。一般に陽気で悪戯好きだ。

妖精ドモヴォーイ

ドモヴォーイ【出身地:ロシア】

 年老いた人間の姿をしたスラブの家の妖精で、その全身は毛で包まれている。ドモヴォーイは家を守護してくれる妖精で、犬や猫などの家畜や、ただの干し草などに姿を変えて現れる。

 本当の姿で現れることもあるが、その姿を見ることはむしろ不吉とされる。夜になると彼らの声が聞こえてくることがあるが、その声が悲しげであったり、すすり泣きであった場合は、近いうちに不幸が訪れるとされる。

妖精ジャックランタン

ジャックランタン【出身地:アメリカ、イギリス】

 ハロウィンのカボチャおばけ。

 元はウィル・オ・ウィスプのような狐火の怪であったが、より人間の注目を買うため、この姿で現れるのかもしれない。その名の通り火遊びが好きな妖精である。

妖精ジャックフロスト

ジャックフロスト【出身地:アメリカ、イギリス】

 冬にだけ現れる霜の精である。

 雪と氷でできていて、春には溶けて消えてしまう。元来は雪男のような化け物で、笑いながら人を凍らせる恐ろしい妖精。

妖精ゴブリン

ゴブリン【出身地:イギリス】

 妖精の代表だが、エルフより獣じみた性格であり、不正直でいじけた性質。

 彼らは、彼らを見ることができる者、少女などを妖精の国に引き込もうとする。またしばしば魔法使いの使い魔として、さまざまな使役をこなす。

妖精キジムナー

キジムナー【出身地:日本】

 沖縄の木の精。赤ん坊くらいの大きさで、全身を毛に覆われている。

 キジムナーはガジュマルという亜熱帯性植物の木、それも古びた木の精で、キジムン、ブナガヤなどの名で呼ばれることもある。魚や蟹が好物だが、魚は片目を食べてしまうと飽きて残りは捨ててしまう。ただし蛸は大嫌いで、その姿を見ただけで逃げていくという。

妖精チャム

チャム【出身地:バイストン・ウェル】

 1983年に放送された富野由悠季原作・総監督のTVアニメ『聖戦士ダンバイン』に登場した、ミ・フェラリオという妖精の少女。海と大地の狭間に存在するという異世界バイストン・ウェルに住む。

 とても活発的な性格で、何かと騒がしい。聖戦士ショウ・ザマと共に行動し、ショウのオーラ力を増幅させる存在でもあったようだ。ダンバインの後番組『重戦機エルガイム』にも多少姿を変えて(?)登場した。ただし人格はまったく違う。なお金子一馬氏によると、『真・女神転生』の頃のピクシーはチャムを引きずったデザインであるらしい。

妖精ハイピクシー

ハイピクシー【出身地:イギリス】

 ハイピクシーは、ピクシーたちの中でも力が強い者のこと。

 ピクシーはイングランド南西部でよく見られる地味な姿の妖精だ。ピクシーの容姿にまつわる説は数多くあるが、共通点は緑色の服を着ていることで、彼らが植物に関連した精霊と見なされていることが分かる。ピクシーはずる賢くて悪戯好きであり、特に旅人を道に迷わせたりするのが好きだ。同じ場所を延々と歩かされるのは「ピクシーの惑わし」と呼ばれる。こうしたちょっとした悪戯をすることが、ピクシーたちの糧なのだ。

妖精ピクシー

ピクシー【出身地:イギリス】

 小型の妖精である。

 エルフたちとは仲が悪く、一緒に行動はしない。それはピクシーが結構意地悪なせいでもある。悪戯が生きがいだが、根は善良なので、ミルクやチーズのお礼に一生懸命働くこともある。