北ヨーロッパおよび東ヨーロッパに住んでいたゲルマン民族の神話、いわゆる北欧神話に伝えられる邪悪な神。霜の巨人ファールバウティとラウヴェイの間に生まれ、オーディンと義兄弟の契りを交わした。アイスランドの歴史家スノッリ・ストゥルルソン(1179〜1241)が編纂した『新エッダ(散文エッダ)』によれば、「ロキは美しい顔を持っているが、邪悪な気質で気が変わりやすい。狡猾の技では誰にもひけをとらず、いつも嘘をつく」と書かれており、神々の仲間として暮らす一方で、時に神々の敵にまわるというトラブルメーカー的な存在である。
北欧神話の神々が持つマジックアイテムの大半は、ロキによってもたらされている。例えばオーディンの槍グングニル、トールの槌ミョルニル、フレイの船スキーズブラズニル、黄金を生み出す指輪アンドヴァリナウトなどがそれにあたる。これらはロキが小人を騙して作らせたり、奪ったりしたことでもたらされた。
しかしロキはオーディンの息子であるバルドルを、バルドルの兄弟であるホズにヤドリギを投げつけさせて殺害してしまう(投げつけたときにヤドリギが槍に変化し、バルドルを貫いたとされる)。この罪でロキは神々に捕らえられ、巨大な岩に張り付けられた上に大蛇の毒をかけられる罰を受けることになる。
ロキが巨人アングルボザとの間にもうけたフェンリル、ヨルムンガンド、ヘルらによりラグナロクが到来すると、ロキは戒めを解かれ、神々と対決する。最期はヘイムダルと相打ちになり命を落とした。
H.P.ラヴクラフトの小説『クトゥルフの呼び声』などに登場する外宇宙生命体。遥か昔に地球に飛来し、ムー大陸で崇拝されていた邪神。
かなりの勢力を誇っていたらしいがムー大陸沈没と運命を共にしており、現在は南太平洋の奥深くに沈むルルイエ遺跡の神殿で眠りについている。しかしクトゥルーが再び目覚めたとき、世界は再びクトゥルーのものになるだろうと言われている。
1992年にハドソンから発売されたPCエンジンS・CD-ROM²用ゲームソフト『天外魔境Ⅱ 卍MARU』に登場するキャラクター。根の一族の神、ゲームの最終ボスである。
岸田今日子演じる「宇宙の創造主」より、慈愛の神マリと共に生み出される。また「何者にも屈せぬ、強き人類」を生み出すよう命じられ、地球に降り立った。マリは他人を思いやる愛こそ強さと考え、火の一族を生み出したが、ヨミは欲望のおもむくまま力で他人をねじ伏せることこそ強さと考え、根の一族を生み出した。そしてヨミは暗黒ランと呼ばれる妖花をジパング中に開花させ、ジパングを狂気の世界に落とし入れていった。ジパングが暗黒に覆われる中、マリ率いる火の一族は果敢に抗戦、最終的には七本の聖剣で暗黒ランを切り落とし、マリはヨミと刺し違えることで戦いは終結した。
だが千年経ったある日、根の一族イヒカの三博士により暗黒ランは復活、ヨミも京の地下施設「花の御所」にて復活を果たす。しかしヨミの知る時代から千年も経過したジパングでは、火と根の一族は交わりを持っており、それゆえに両族の特性を併せ持つ人類が誕生していたのであった。自分の想像を超えた力を持つ人間に敗れたヨミは、自身の存在を否定されたと考え、マリにその身を預け、宇宙へと飛び去った。
エジプトの悪神。母の子宮から自分自身を引きちぎり、脇腹を破って出てきたと言わている。
分割されたエジプトを巡って兄オシリスに戦いを挑み、さまざまな権謀術数の果てに彼を殺害した。しかしオシリスの霊によって処女懐胎したイシスがホルスを産み、ホルスによって砂漠の彼方に追放された。元来は上エジプトに住んでいたセム人の主神である。
しばしばエジプトの神アモンと同一視される邪神。
富と財産を司り、地獄の悪魔たちの宮殿を建造した。隠された財宝を見つけだす力があり、人間に鉱山資源を探りだす術を授けた。
阿修羅。血に飢えた邪神である。
本来は善なる神であった。しかしひとたび戦いになると、とことん相手を叩きのめす。決して許すことはない、激しい性格である。『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』では、ルシファーの呼びかけにより、光明神アフラ・マズダの姿を取り戻すというイベントがある。
シュメール文明の風の邪神。獅子の顔に人間の身体、背中には二対の翼を持ち、手は獅子の前足、脚は鷲爪、額の上には一本の奇妙に曲がった角がある。また蠍の尾と、そそり立つ蛇頭の男根がついている。
パズスはいつもしかめっ面をしており、ペルシア湾から毒気をはらんだ熱風と共にやってきて、疫病を蔓延させる。映画『エクソシスト』にも登場し、イナゴの災厄の王とされる。
H.P.ラヴクラフトの小説に登場する外なる神の一人。さまざまな姿を取ることができ、人間の姿にもなれる。このグラフィックの姿は「闇の跳梁者」と呼ばれるもので、凶悪で酸性の毒を翼から撒き散らす危険な存在である。
ニャルラトホテプは強い光が苦手のようだ。人間は彼らの精神に完全に支配され、その混沌のパワーでいかなる形にも変化していくのだ。這い寄る混沌と形容されるこの狂った存在は、外宇宙より太古の昔に地球に訪れた一種の神である。ニャルラトホテプはこれら神の根幹にあたる魂の存在でもある。
ケツアルカトルを追放し、メキシコのマヤ族を制圧したトルテカ族の軍神。のちにアステカ族にも信仰され、その地位を固める。名は「曇った鏡」という意味である。
彼の姿は「好戦的で暴力的。逆らう者には死を与える」と、恐ろしく書かれることも多いのだが、七面鳥の変装が大好きで、庶民の学校を設立したり、性相談を受けたり、どの階級とも親友であり続けた。彼の思想は戦いとその克服を自然界における最低限必要な闘争と受難であると考えて、水をあえて嵐に変えて人々に与えたという。テスカトリポカはケツアルカトルよりもより庶民的で親しみやすかったのかもしれないが、残酷な面は見逃せない。
諏訪湖の蛇神である。
七つの巨大な杉の柱を立てたものと、七つの石を依代(よりしろ)とする。御神体はもともと石の棒で、男根を表していた。ミシャグジ神は崇り神であり、慎重に祀らなければならない。